Mori-Ôgai-Gedenkstätte Berlin / ベルリン森鷗外記念館・ベアーテ・ヴォンデ

2019年8月31日の博物館の長い夜について LNDM 2019

Facebook-Eintrag von Frau Murakami Aya, Kalligraphin aus Düsseldorf:

午前中で書道教室のお稽古を切り上げて、やって来たベルリン。
森鷗外記念館のキュレーター ヴォンデさんにご招待頂き、「鈴鹿墨」の展覧会にお伺い致しました。三重県鈴鹿市からは、伝統工芸品「鈴鹿墨」の墨師 伊藤亀堂氏と、応援のお二人がいらして下さいました。
気温35度のベルリン。
森鷗外が医学生時代に暮らしていたアパートの部屋を記念館として、毎月、様々な展示や勉強会が開催されています。今回は、「美術館の長い夜」と題して、夕方18時から翌朝2時まで、七時間に及ぶ様々なプログラム。
一か月分の来場者数を記録し、森鷗外のアパートの一室が、一夜にしていっぱいになったこの夜。夜中12時を過ぎまで、墨師 伊藤さんのお話と実演に、熱気あふれる展覧会となりました。
作りたての手捏ね墨で、お客様各々の手形墨を、その場でプレゼントして下さり、大喜びするドイツの方々。森鷗外も通ったフンボルト大学からは多くの学生さんもお出で下さり、「Herr Ito とビールを一杯!」と言う無邪気な学生さんたちと共に、夜中の一時に、近くのお店へ。
夜中の一時にもかかわらず、何件か回って、「この店は瓶ビールしかないからダメ!Itoさんが、日本からせっかく来てくれたのだから、樽の生ビールじゃなくっちゃ!」と言う夫と、男子学生クン。さすが、ビールには拘るドイツ人です(笑笑)。
質問責めに合うItoさんでしたが、日本からお持ちになった自動翻訳機のドイツ語訳で一生懸命お答えになるItoさん。トンチンカンな翻訳機も、場を和ませてくれました。墨作りと皆を楽しませる事には、達人の伊藤さんです。
時に、真剣にお答えになるIto さんのお気持ちが、こうして集まってくれたドイツの方々へ、真っ直ぐに伝わった事に、近くにいるわたくしまでも感動してしまいました。
今年の12月まで継続される「鈴鹿墨展」
デュッセルドルフ国立大書道部の学生さんたちも、「セメスター休暇中に、「鈴鹿墨展」へ駆け付けます!」との事です。
「今日の事は、一生忘れません。これからも頑張って、いい墨を作り続けます!」と、皆に約束して下さった伊藤さん。日本とドイツ、新しい多くの素晴らしいご縁が重なり、更に大きな輪になって広がっていく事を、本当に嬉しく思います。
日本と日本文化をこよなく愛し、森鷗外研究を40年近くに渡って続けてこられたヴォンデさんとの交流を含めて、「鈴鹿墨」の日本、「森鷗外」のドイツが、一つになった素晴らしい夜でした。
明日、日本へ旅立たれる伊藤さん
このショートビデオをお贈りさせて下さい。ドイツでの思い出が、いつまでも、お三人方のお心に残ってくれます様に
伊藤さん、土屋さん、阪さんへ、心からの感謝を込めて

Fotos: Michael Hellenbach

Fotos: Sebastian Weber


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