Mori-Ôgai-Gedenkstätte Berlin / ベルリン森鷗外記念館・ベアーテ・ヴォンデ

Matsuda Toshimi: Between the lights

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Fotoausstellung
MATSUDA Toshimi 松田敏美 „Between the lights“
Fotoausstellung in der Mori-Ôgai-Gedenkstätte
Luisenstraße 39
10117 Berlin

1.April – 30. September 2015
Mo – Fr 10 -14 Uhr

www2.gol.com/users/toshimim/

Der japanische Fotograf Matsuda Toshimi hat viele Großstädte dieser Welt bereist. Wo immer er weilt, zieht es ihn ans Meer. Sowohl im urbanen Umfeld als auch an den Stränden ferner Länder fängt er in stimmungsvollen schwarz-weiß Fotografien das ein, was man gemeinhin als „blaue Stunde“ bezeichnet: die kurze, oft nur fünfzehn Minuten andauernde Dämmerung, in der das natürliche Tageslicht gerade noch wahrnehmbar und die erste elektrische Beleuchtung gerade angeschaltet ist. Dieser einzigartige Moment des Übergangs oder des Zwischen ist sein Thema, das er an unterschiedlichsten Orten variiert. Die Ausstellung in der Gedenkstätte für den japanische Arzt, Übersetzer und Schriftsteller, dessen Wirken zwischen den Kulturen, Sprachen und Zeiten angesiedelt ist, wird durch neue Berlin-Aufnahmen von Ôgai-relevanten Orten bzw. literarischen topoi ergänzt.

松田敏美

1961年函館生まれ
1983年大阪芸術大学写真学科卒業
1987年よりフリーカメラマンとして活動

展示/出版物

1990 「光りの淵にて」千葉  陶風舎

1999 「Between the Lights」 New York RADIO HOUSE GALLERY
2000 「Between the Lights TOKYO」 新宿ニコンサロン
2000 「Sarajevo」 New York Chelsea Exhibit Space
2001 「Between the Lights, 2」 New York RADIO HOUSE GALLERY
2003 「Between the Lights, the world」 新宿ニコンサロン

2003 「Between the Lights」写真集
2006 「Glow」TOKYO GALLERY COSMOS
2007 「モノクロームの旅 路」枻出版社
2008 「Between the Lights」Berlin imago fotokunst
2010 「far away」TOKYO GALLERY COSMOS
2011,2012,2013,2014. 函館工芸舎にて写真展

MATSUDA Toshimi

1961 geboren in Hakodate, Hokkaido
1983 Abschluss des Fotografie-Studiums an der Osaka University of Arts
seit 1987 als freier Fotograf tätig

Ausstellungen/Publikationen

1990 „In den Abgrunden des Lichts (Hikari no Fuchi Nite)“ Topusha, Chiba
1999 „Between the Lights „ RADIO HOUSE GALLERY, New York
2000 „Between the Lights TOKYO“ Shinjuku Nikon Salon, Tokyo
2000 „Sarajevo“ Chelsea Exhibit Space, New York
2001 „Between the Lights, 2“ RADIO HOUSE GALLERY, New York
2003 „Between the Lights, the world“ Shinjuku Nikon Salon, Tokyo
2003 „Between the Lights“ Herausgabe der Fotosammlung
2006 „Glow“ GALLERY COSMOS, Tokyo
2007 „モノクロームの旅 路 (Monochrome Reise)“ Herausgabe, Ei-Publishing
2008 „Between the Lights“ imago fotokunst, Berlin
2010 „far away“ GALLERY COSMOS, Tokyo
2011,2012,2013,2014. Ausstellungen in Hakodate Kogeisha

松田敏美氏の写真について

2015年4月1日から9月30日までベルリン森鷗外記念館では松田敏美氏による写真展“Between the lights“を開催しております。 写真展では既に公表されている松田氏の世界の各地で撮影された小型の写真に加えて、森鴎外と彼の分身である太田豊太郎にまつわるベルリンの各地を舞台とした大型写真も公開されています。

松田氏の写真を観る者は、彼の写真の持つ雰囲気をまずはゆっくりと感じとらなくてはなりません、というのもこの雰囲気はしばらく鑑賞をしてからやっと深く湧き出て来るからです。観る者は、写真上には存在していない人間の役割を自ら引き受け、自然とその風景の主人公となるのです。観る者の想像力によって、写真における人間の不在は生命をもって補われ、このとても控えめな、しかしよく構成された写真の雰囲気の中に、自らの、独自の物語を見つけることができるのです。松田氏が、いまにも東京から離陸する飛行機を見せるとき、またはセント・アンドルーズの駐車禁止の看板や、スコットランドの無人の公衆電話機、ロンドンの雪の積もったテニス場、もしくはニューヨークの街灯を見せるとき、そこに何があり、どうなったのでしょう。私たちはそこに何の記憶を見いだすのでしょうか。

黄昏時という中間的な段階、つまりこの短い、自然の光の明滅と、人工の灯りの点灯とが重なりあっている瞬間は、常にどこかセンチメンタルなものです。またそれは、人の不安をあおるものでもありますが、それはしばし松田氏の写真が冬に撮影されていることとも関係があるのかもしれません。その場所にあったはずのものは、しばしば認識できなくなり、いずれ消えてしまいます。そこに照らされる人工の灯りはしかし、部分的にしか道を照らしてはくれません、が、それはいったいどこへ続く道なのでしょう。松田氏の写真は謙虚で慎み深く、そして絶対的な解釈というものを持ち出しません。なぜなら、答えは、彼の写真の見せる静寂とそして細かなディティールの中に私たち一人一人が見つけるものだからです。彼が寂しい公園のベンチを撮影する時、私たちはこの目まぐるしい世界からの瞑想的な一休みへと招かれているのです。

松田氏は世界中を旅しておりますが、彼の撮る写真は典型的な観光写真や、まばゆい日の出の図などとは異なっております。いつでもどこでも、松田氏は往々にしてぼやけて、滲みのかかったモノクロ写真によって、既に長い間、もしくは今さっき「過ぎ去ってしまったもの」、そして不確かな、ぼやけた輪郭しか確認することのできない「これから」、という瞬間を収めます。そこにはミニマリズムの美学があります。と同時にまた、不確実な瞬間というのは私たちをそわそわさせるものでもあります。この瞬間は世界のどこにでもあるもので、この瞬間のこの雰囲気だけは普遍的で確実なものです。それもあり、松田氏の写真は、キャプション無しではどこで撮影されたかはっきりと識別することがむずかしい風景を写しています。ベルリンで行われた写真展のオープニングでは、雪に覆われたフォルクスワーゲンの小型車が、予想に反して、東京は港区で撮影されたものだと聞かされ、驚いた人も多いのではないのでしょうか。

ベルリンの水たまりを写した写真に、灯りにともされた夕方の家々が反射されているのをみると、『鏡の破片に映し出される世界』という慣用句を思い出します。しかしそれは、もしくは道端の取るに足らない水たまりにたまたま姿を現わした遠い日の記憶なのかもしれません。もう今は存在することのないベルリンの、そして今日においてもそうですが、鴎外の時代においてとくに、人工の灯りが暗闇の中に一筋の安心と、暖かさを約束していた時代の記憶、を写すものなのかもしれません。

Die Ausstellung Between the lights wurde vom 22.August bis 25.September 2016 in der Mori-Ogai-Gedenkstätte Tokio gezeigt (Fotos: Bunkyo kuritsu Mori Ogai kinenkan). Im Begleitprogramm: Gespräch Kuramoto Yukihiro mit Matsuda Toshimi.

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Between the Lights Flyer und Einladung zur Vernissage


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